不動産売却で損が出た場合の税金

不動産売却で損が出た場合には譲渡所得税はかかりません

 

不動産売却で損が出るというのは、どのような状況でしょうか。それは、不動産の資産価値以下の価格でしか売れなかった場合です。ここで注意しなければならないのは、「買った時よりも安く売った」からと言って、損が出たとは言い切れないということです。なぜならば、家屋は年々劣化しますので、保有している年数に応じて価値が下がるからです。

 

売却によって損が出た場合には、当然ながら譲渡所得税はかかりません。あくまで儲かったお金に対してかかってくる税金だからです。不動産売却によってかかってくる税金については、下記の記事に詳しく解説しました。

 

 

住まいを売る際に使える「控除」という仕組み

 

税金には「控除」という仕組みがあります。これは、税金の計算をする際に、譲渡所得から一定の金額を差し引いて計算できるという仕組みです。ざっくり書くと、税金が軽減されるというイメージです。

 

家の買換えを行う場合には、「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」を利用することが有効です。また、買換えをしない場合は「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」を利用するのが有効的です。

 

不動産売却の損は給与所得等と損益通算できません

 

所得税というものは、儲かったお金に対して支払うものです。会社員であればもちろん、給与所得に対して所得税を支払っています。

 

そうすると、例えば「今年は給与は儲かった。しかし不動産売却では損した。」という場合に、税金を差し引きできればありがたいと思ってしまう方もいるでしょう。マイナスの分を差し引いてから所得税の計算をすれば、支払う税金が安く済むからです。

 

しかし、残念ながらそれはできません。不動産売却の税金は譲渡所得に該当するからです。譲渡損失は、他の所得との損益通算を行うことはできないのです。

 

税務署か税理士に相談しましょう

 

上記のように、不動産売却時の税金は、仕組み自体は難しくありませんが、実際に計算するのは煩雑です。特に、家屋の劣化による資産価値の低下(減価償却)の計算は簡単ではありません。

 

自分だけで判断して「税金がかからない」と思い込んでしまうのは危険です。お住まいの地域の税務署に一度相談してみることをお勧めします。税務署は、こわいイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、親切に教えてくれます。